Foothold Japan · 日本進出支援FHJ · コラム · 2026年7月
日本進出 × マーケティング支援

【海外企業の日本進出支援】マーケティング支援会社の選び方

Quick answer

「日本進出のマーケティングをどこかに頼みたいが、誰に何を頼めばいいのか分からない」。その場合はまず、支援会社を5つのタイプ(戦略コンサル型・商談獲得型・広告運用型・コンテンツ実働型・公的支援)に分けて、いまの進出フェーズに合うタイプから選ぶのが近道です。大手の年間契約だけが選択肢ではありません。月単位で小さく始めて、商談につながるかを確かめてから広げる方法があります。この記事で全体像と選び方の手順を整理します。

「日本進出 支援」で検索すると、支援会社のサービスページが山ほど出てきます。ところが読み比べても、コンサルなのか、営業代行なのか、広告なのか、その会社が実際に何をしてくれるのかが分かりにくい。費用も体制も、ページにはほとんど書かれていません。

この記事は、海外に本社を持つ企業の日本チーム、とくにマーケティング専任をまだ雇えていないカントリーマネージャーや立ち上げ担当の方に向けて書いています。支援会社を「支援のタイプ」で5つに分け、進出フェーズごとにどのタイプが必要かを整理しました。読み終わる頃には、目の前の候補がどのタイプで、いま頼むべき相手なのかを自分の言葉で判断できるはずです。

菅生晃大
執筆者
菅生 晃大(Foothold Japan)

SEO記事1,500本以上の企画・編集・執筆と、導入事例インタビューの制作を手がけてきました。海外企業の日本市場向けコンテンツを日本語ネイティブで制作し、海外本社への英語レポートまで一貫して担当しています。

目次を表示
  1. 日本進出を支援する会社の5タイプ
  2. 進出フェーズで変わる「いま必要な支援」
  3. JETROの支援でカバーできる範囲とできない範囲
  4. 支援会社を選ぶ5つのチェックポイント
  5. 発注前に知っておきたいよくある失敗
  6. よくある質問
  7. まとめ

日本進出を支援する会社の5タイプ

「日本進出支援」という同じ看板でも、実際にやってくれることは会社によってまったく違います。候補を比較する前に、まず5つのタイプに分けて全体像をつかんでください。

タイプやってくれること注意点
戦略コンサル型市場調査・参入戦略の立案・パートナー候補の紹介戦略は出るが、実行は別料金や別会社になりがち。まとまった予算と期間が前提とされることが多い
テレマ・商談獲得型電話営業や営業代行による商談アポの獲得短期で商談数は出るが、サイト・事例・信頼といった資産が残りにくい。リストが尽きると止まる
広告運用型リスティング広告・SNS広告の運用出稿を止めると引き合いも止まる。受け皿になる日本語ページの質が低いと費用対効果が伸びない
コンテンツ・実働型日本語のWebサイト・記事・導入事例・営業資料の制作と運用効果は積み上げ型で、成果が見えるまで一定の期間がかかる。Foothold Japanはこのタイプ
公的支援(JETRO)市場情報の提供・専門家への相談・拠点設立の支援無料または低コストで使えるが、マーケティングの実務(制作・運用)は範囲外

よくある誤解は、「1社に頼めばこの全部をやってくれる」というものです。実際には、それぞれ得意分野の違う別の商売で、必要に応じて組み合わせることになります。

もう一つの誤解は、大型の年間契約だけが選択肢だという思い込みです。戦略コンサル型や大手のエージェンシーはたしかに年間予算が前提のことが多いのですが、コンテンツ・実働型には月単位で小さく試せる会社もあります。「いまのフェーズで正当化できる金額から始める」という選び方ができるのです。

進出フェーズで変わる「いま必要な支援」

どのタイプに頼むべきかは、会社の良し悪しより先に、いまの進出フェーズで決まります。フェーズに合わないタイプに頼むと、良い会社に頼んでも成果は出ません。

フェーズ状況と主な課題合う支援
準備期
(進出前)
市場性の見極め・拠点や登記・最初の体制づくり公的支援(JETRO)を軸に。深い市場調査が必要なら戦略コンサル型を検討
立ち上げ期
(進出後およそ2年まで)
最初の引き合いづくり・リファレンス顧客の獲得。日本語の受け皿(サイト・事例)が未整備コンテンツ・実働型を軸に。商談を急ぐ場合は商談獲得型や広告運用型を小さく併用
成長期
(体制拡大)
商談数の拡大・マーケ専任の採用・チャネルの多角化広告運用型とコンテンツ・実働型の拡大。採用と並行して外部を使う

準備期はお金をかけずに土台を固める段階

進出前の情報収集と拠点づくりは、後述するJETROの支援でかなりの部分を賄えます。この段階で民間に大きな予算を投じる必要はほとんどありません。

立ち上げ期は「日本語の受け皿」が最優先

多くの企業がつまずくのがここです。本社サイトの機械翻訳のままの日本語ページに、広告や電話営業で見込み客を連れてきても、商談にはつながりにくいのが実情です。順番としては、日本の買い手が読んで信頼できる日本語のサイト・事例・資料を先に整え、そこに人を集める施策を重ねます。立ち上げ期に何をどの順でやるかは、日本市場の1人目マーケター向け90日プレイブックで手順まで落とし込んでいます。

成長期は外部を「教育係」として使う

商談が回り始めたら、マーケ専任の採用が視野に入ります。このとき、外注してきた支援会社の仕事の進め方がそのまま採用要件と引き継ぎ資料になります。外注は採用の準備でもあるのです。

JETROの支援でカバーできる範囲とできない範囲

民間の支援会社を探す前に、まず公的支援から検討するのが定石です。JETRO(日本貿易振興機構)は外国企業の対日投資を支援する公的機関で、無料または低コストで使える窓口があります。

JETROでカバーできること

  • 市場・規制の情報提供(業界データ・制度・手続きの案内)
  • 専門家への個別相談(法務・税務・労務などの初期相談)
  • 拠点設立の支援(一時オフィスの提供・設立手続きのサポート)
  • イベント・展示会の情報(業界イベントへの接点づくり)

進出の「準備」に関しては、まずJETROに相談して損はありません。ここを使わずに民間の調査会社へ発注すると、公的支援で無料に近く手に入る情報にお金を払うことになりかねません。

JETROではカバーできないこと

一方で、進出後の継続的なマーケティング実務は支援の範囲外です。日本語Webサイトの運用、見込み客を生むコンテンツの制作、導入事例づくり、広告運用。つまり引き合いを生み続ける仕組みの構築と運用は、民間の支援会社の領域になります。

整理すると、「土台はJETRO、引き合いづくりは民間」という役割分担です。JETROの支援を使い切ったうえで、進出後の実務パートナーを別途探すのが無駄のない順番だと考えています。

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支援会社を選ぶ5つのチェックポイント

タイプとフェーズが絞れたら、候補の会社に次の5点を確認します。いずれも商談の場やメール1往復で確認できる内容です。

チェック1・成果の定義が「商談」につながっているか

提案書に並ぶ言葉が、アクセス数やフォロワー数で止まっていないかを見てください。最終的に欲しいのは引き合いと商談のはずです。「この施策がどう商談につながるのか」を平易な言葉で説明できる会社を選びます。逆に、専門用語で煙に巻かれて質問しづらいと感じたら、その相性は契約後も変わりません。理解できない提案にお金を払う必要はないのです。

チェック2・日本語コンテンツの実物を見せてもらえるか

実績ロゴの数ではなく、その会社が作った日本語の記事・導入事例・サイトの実物を読みます。日本の買い手が読んで信頼できる文章か、自社の業界の話を任せられそうか。この目線で読めば、マーケティングの専門家でなくても質の差は分かります。あわせて、海外企業の支援経験があるかも確認しておくと安心です。導入事例の外注については導入事例の制作会社の選び方と費用相場で詳しく整理しています。

チェック3・本社に説明できる英語レポートが出るか

日本のマーケティング投資は、本社からは見えにくいものです。月次の報告が日本語のみだと、本社向けの翻訳と説明はあなたの仕事として毎月残ります。英語のレポートやサマリーまで出せる会社なら、本社への報告がそのまま済みます。「日本は特殊だ」を英語の材料つきで説明できるかどうかは、翌年の予算に直結する部分です。

チェック4・月単位など小さく始められるか

年間契約が前提の会社に、いきなり大きな約束をする必要はありません。まず1〜3ヶ月の小さな発注で、引き合いへの手応え・成果物の質・やり取りのスムーズさを確かめてから広げるのが安全です。契約の最低期間と解約条件は、金額より先に確認してください。ここが柔軟な会社は、自社の仕事に自信がある会社でもあります。

チェック5・実際に手を動かす担当者が見えるか

提案に来る営業担当と、実際に制作・運用する担当者が別というのはよくある体制です。それ自体は問題ありませんが、成果物の質は会社ではなく人に付きます。誰が作り、誰が窓口になるのかを発注前に確認してください。個人や小規模の会社に頼む場合は、逆に継続性(体制が続くか・実績が公開されているか)を見ておくと判断を誤りません。

発注前に知っておきたいよくある失敗

支援会社選びの失敗には型があります。代表的なものだけ挙げておきます(いずれも一般論としての整理で、特定の実在企業の事例ではありません)。

  • 機械翻訳のページで広告を回す。本社の英語サイトを訳しただけの日本語ページに広告費を投じ、クリックはあるのに商談が生まれない
  • フェーズに合わない大型契約。立ち上げ期に年間の大型契約を結び、まだ必要のない施策に予算が固定される
  • 成果の定義が曖昧なまま走り出す。半年後、本社に「何が得られたのか」を説明できず、日本のマーケ予算そのものが削られる

失敗パターンの全体像と回避策は、海外企業の日本進出でよくある失敗パターンとして別記事にまとめています。発注前に一度目を通しておくと、候補の会社への質問がより具体的になるはずです。

FAQ

よくある質問

Q. 日本進出のマーケティング支援会社にはどんなタイプがありますか?

大きく5タイプに分かれます。市場調査と参入戦略を立てる戦略コンサル型、電話や営業代行で商談アポを獲得するテレマ・商談獲得型、リスティングやSNS広告を運用する広告運用型、日本語のサイト・記事・導入事例を実際に作って運用するコンテンツ・実働型、そしてJETROに代表される公的支援です。同じ「日本進出支援」の看板でも、やってくれることはまったく違います。

Q. JETROの支援だけで日本進出はできますか?

進出の準備(市場情報の収集・専門家への相談・拠点設立の支援)はJETROでかなりの部分を賄えます。ただし進出後の継続的なマーケティング実務、つまり日本語Webサイトの運用や見込み客を生むコンテンツの制作、導入事例づくりは支援の範囲外です。土台はJETRO、引き合いづくりは民間の支援会社という役割分担で考えるのが現実的です。

Q. マーケティング専任を雇う前に支援会社へ外注しても大丈夫ですか?

問題ありません。むしろ立ち上げ期は、専任のヘッドカウント承認を待つより、月単位で外部の実働パートナーを使って成果の手応えを確かめる方が早く動けます。外注で「日本で何が効くか」のデータを貯めてから採用要件を固めると、採用の失敗も減らせます。

Q. 日本進出のマーケティング支援の費用はどのくらいかかりますか?

支援のタイプで大きく変わります。戦略コンサル型や大型のエージェンシーは、年間契約とまとまった予算が前提とされることが少なくありません。一方、コンテンツ・実働型には月単位で始められる会社もあります。Foothold Japanは月単位の契約で、内容に合わせて柔軟に調整しています。概算が必要な場合は無料相談フォームからお問い合わせください。

まとめ

日本進出のマーケティング支援会社は、戦略コンサル型・商談獲得型・広告運用型・コンテンツ実働型・公的支援の5タイプに分かれ、どれが必要かは進出フェーズで決まります。準備の土台はJETROでかなり賄え、進出後の引き合いづくりは民間の実務パートナーの領域です。候補には、成果の定義・日本語コンテンツの実物・英語レポート・契約単位・担当者の5点を確認してください。大型の年間契約だけが選択肢ではありません。月単位で小さく始めて、商談につながるかで判断する道があります。

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まず1ヶ月、商談につながるかで判断

マーケ専任を雇う前の、月単位で使える日本市場の実働パートナー

Foothold Japanは、日本語のコンテンツ制作と運用を実際に手を動かして担う「コンテンツ・実働型」の支援です。料金は月単位・内容に合わせて柔軟に調整し、本社向けの英語レポートまで含めて納品します。施策は常に、引き合いと商談への接続を基準に設計します。